海外旅行にいくと、たいていの国では免税でお買い物ができるのでありがたいですよね。
オーストラリアでも旅行者は10%の消費税について免税を受けることができます。
ただし、この免税を受けるためには、いくつか気をつけなければならない点があります。
そこで、この記事では、オーストラリアの免税手続きについて解説します。
目次
オーストラリアの旅行者向け免税制度
オーストラリアの旅行者向けの免税制度は、TRSといいます。
TRSとは、Tourist Refund Schemeの頭文字をとったもので、日本語にすると「旅行者払い戻し制度」とか「事後免税制度」などと訳されています。
オーストラリアでは、物品やサービスを購入する際にGST(Goods and Services Tax)、つまり日本でいう消費税として、物品やサービスの価格の10%が加算されます。
でも、これはオーストラリア国内で消費されることを前提として課されるものなので、旅行者などがオーストラリア国外で消費する物品についてはGSTの還付を申請することができるのです。
つまり、物品を購入する際には10%の消費税も支払う必要がありますが、オーストラリア国外で消費するのであれば、後でその消費税10%については還付を申請することができるという制度です。
なお、オーストラリアでは、ワインについてはWET(Wine Equalisation Tax)というワイン酒税が課されており、このうち14.5%についてもTRSで還付を申請することができます。
オーストラリアの免税制度TRSの申請対象
- オーストラリアで購入した商品
- オーストラリアで購入したワイン
ただし、以下のものについては、申請することはできません。
申請できないもの
- ビールなどのアルコール、ブランデー、強化ワイン、スピリッツ、タバコ
- オーストラリアで完全にまたは一部消費される消耗品
- ガスボンベ、花火、エアゾールスプレーなど、安全上の理由から航空機または船舶で禁止されている物品
- 貨物または国際郵便で送られたものなど携行していない商品
- 宿泊、ツアー、レンタカー、人件費などのサービス
- インターネットで購入しオーストラリアに輸入した商品
- ギフトカード/バウチャー
オーストラリアの免税制度TRSの申請条件
①オーストラリア出国前60日以内に商品を購入したこと
出国の60日前に購入していればOKなので、旅行者だけでなく、オーストラリア在住の方が日本へ一時帰国する直前に購入したものでもTRSを申請できます。
②同一の事業主から合計300ドル以上(GST含む)購入したこと
これは、別々の請求書であっても合計300ドルの商品を1つの事業主から購入していればOKです。
そのため、申請する商品は複数でも問題ないですし、別の日に購入したものであっても同じお店で買ったのであればTRSの申請をすることが可能です。
③Tax Invoiceの原本を持っていること
これはお店で店員さんに「TRS用にTax Invoiceをください」といえば通常はTRSで有効なものを発行してくれます。
有効なTax Invoiceの要件として次の事項が記載されている必要があります。
- Tax Invoice
- 売主のID
- 売主のオーストラリアの事業番号(ABN)
- Tax Invoiceが発行された日付
- 数量や価格、販売された商品の簡単な説明
- 支払うべきGSTの金額
また、コピーは受け付けてもらえないので、必ず原本を用意してください。
④原則として出国する際に手荷物として商品を着用または持ち運んでいること
商品が特大サイズであったり、液体、エアゾール、ゲル状のため機内持込が制限されている場合は、チェックイン前に商品を「ABF client services office」に持って行って手続をしてから預け入れ荷物に入れておきます。
なお、商品を梱包から取り出して、出発前にその商品を使用することも可能です。
ただし、窓口で係員に確認された際にTax Invoiceに対応する商品をちゃんと持っていると説明しないといけない場合があります。
オーストラリアの免税制度TRS申請の際に準備するもの
- Tax Invoice
- 商品
- 搭乗券
- パスポート
オーストラリアの免税制度TRS申請方法
TRSの申請は、出国手続を終えた搭乗口のところにTRSブースがあるので、そこで行います。
申請方法としては、①その場でTRSブースに備え付けられたGST and WET Refundフォームに必要事項を記入して窓口に持っていくか、②事前にアプリやオンラインで必要事項を入力しておいて、QRコードを読み取ってもらうかどちらかの方法をとることができます。
ただし、窓口が開いていなければGST and WET Refundフォームに必要事項を記入して、Tax Invoice原本と一緒に封筒に入れて備え付けの箱に投函するという方法しかありません。
この場合、フォームが複写式になっているので、ピンク色の用紙(コピー)を記録用に持っておくことをおすすめします。
また、Tax Invoice原本は手続が終わると郵送で返却されますが、あらかじめコピーをとっておくと安心です。
ちなみに私が手続をしたのはゴールドコースト空港ですが、ゴールドコースト空港は窓口が開いていなかったので、自分でフォームに記入して箱に投函しました。
誰も係員がいなかったので本当にちゃんと処理されるか不安でしたが、問題なく還付されていました。
係員がいないと商品についても全くチェックされないので、手荷物で持ってなくてもばれません。
ちなみにブースに備え付けられたボールペンはインクが出なくて使えなかったので、親切な人に貸してもらいましたが、できれば自分のボールペンを持っておいた方がいいです。
オーストラリアの免税制度TRSの還付方法
TRSの還付先はオーストラリアの銀行口座か、クレジットカード、もしくは小切手を指定することができます。
還付はフォームを提出してから60日以内に行われるとのことです。
私は日本のクレジットカードを指定しましたが、払い戻されるまで1ヶ月くらいかかりました。
オーストラリアの銀行口座を指定した場合は数日で払い戻しがなされるようです。
まとめ
オーストラリアで300ドル以上お買い物をしたら、TRSが利用できないかぜひチェックしてみてくださいね。