「オーストラリアの銀行、どこを選んでも一緒でしょ?」
「とりあえず有名なところで口座開設しとこう」
そう思っている人がいたら、要注意です。
実は、オーストラリアの銀行には口座維持手数料がかかるところが多いので、安く銀行口座を持つためには口座維持手数料がかからないところを選ぶ必要があります。
また、銀行ごとに金利や日本人スタッフの有無なども異なります。
そこで、この記事では、ワーホリや留学でオーストラリアに来られた人におすすめの銀行口座について解説します。
目次
オーストラリアの銀行事情
口座の種類
オーストラリアで銀行口座を開設する場合、通常はEveryday Banking AccountとSavings Accountの2つの口座を開設することになります。
また、まとまったお金を一定期間預けておきたい場合は、Term Depositも申込みます。
Everyday Banking Account
これは日本でいう普通預金口座を意味していて、お給料の振込や現金の引き出しで必要になります。
銀行ごとに名前は異なっていて、Westpac銀行の場合は“Choice”、ANZ銀行の場合は“Access Advantage”という名称になっています。
Savings Account
Savings Accountは普通預金とリンクしていて、利息が付くオンラインの預金口座のことをいいます。
通常オーストラリアでは普通預金口座に加えて、Savings Accountも同時に開設することになります。
これも銀行によってそれぞれ名前が違っているためわかりにくいですが、ほぼすべての銀行で “Savings” や “Saver” という名称が使われています。
例えば、Westpac銀行であれば、“eSaver”、ANZ銀行であれば、“Online Saver”などがSavings Accountにあたります。
Term Deposit
これは、日本でいう定期預金口座を意味しています。
通常は決められた期間は引き出すことができず、決められた期間内に解約する場合にはペナルティーとして受け取れる金利が少なくなってしまうというものです。
オーストラリアの4大メガバンク
オーストラリアには、以下の4つのメガバンクがあります。
- Westpac Bank (ウェストパック銀行)
- ANZ Bank (オーストラリアニュージーランド銀行)
- Commonwealth Bank (コモンウェルス銀行)
- National Australia Bank (ナショナルオーストラリア銀行)
オーストラリアのおすすめ銀行
銀行を選ぶ上でチェックすべきポイントは、
- 口座維持手数料
- 日本人スタッフの有無
- ATM数
- Savingsの金利
の4つです。
コスト重視ならNAB・管理のしやすさ重視ならANZがおすすめ
結論からいうと、口座維持手数料が無料で、ATM数も十分、場所によっては日本人スタッフに頼ることもできるNational Australia Bank(NAB)がおすすめです。
ただ、オーストラリアで仕事をされる場合は、スーパーアニュエーション口座の開設も同時に必要となります。
ANZならスーパーアニュエーション口座も同時に開設できて一括で管理することができるというメリットがあります。
そのため、個人的にはNABもしくはANZがおすすめです。
なお、どのスーパーアニュエーション口座を選べばいいのかについてはオーストラリアのスーパーアニュエーションはどこがいい?賢い選び方も参考にしてみてくださいね。
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オーストラリアのスーパーアニュエーションはどこがいい?賢い選び方
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以下でオーストラリアの4大銀行について詳しくまとめているので、参考にしてみてください。
Westpac Bank (ウェストパック銀行)
口座維持手数料
5ドル/月
口座維持手数料免除条件(以下のいずれか)
- 毎月2000ドル以上の入金
- 21歳以下もしくはフルタイムの学生
- オーストラリアに来て12ヶ月以内
日本人スタッフの有無
あり/サーファーズパラダイス支店
ATM数
3,222基
Savings金利
1.3%(新規かつ最初の5ヶ月のみ)
ANZ Bank (オーストラリアニュージーランド銀行)
口座維持手数料
5ドル/月
口座維持手数料免除条件(以下のいずれか)
- 毎月2000ドル以上の入金
- 25歳以下
- オーストラリア国外から口座開設(最初の12ヶ月間のみ)
日本人スタッフの有無
あり/サーファーズパラダイス、サウスポート、ケアンズ支店
ATM数
2,600基以上
Savings金利
1.2%(新規かつ最初の3ヶ月のみ)
Commonwealth Bank (コモンウェルス銀行)
口座維持手数料
4ドル/月
口座維持手数料免除条件(以下のいずれか)
- 毎月2000ドル以上の入金
- 25歳以下
- フルタイム/パートタイムの学生
日本人スタッフの有無
なし
ATM数
4,300基以上
Savings金利
1.05%(新規かつ最初の5ヶ月のみ)
National Australia Bank (ナショナルオーストラリア銀行)
口座維持手数料
無料
日本人スタッフの有無
あり/サウスポート支店
ATM数
4,412基
Savings金利
1.3%(新規かつ最初の4ヶ月のみ)
口座維持手数料を発生させなくする裏技
口座維持手数料が発生する銀行を選ぶ場合でも、少しの手間をかけるだけで誰でもこの口座維持手数料をカットできます。
方法は簡単で、ネットバンキングで普通預金口座からSavings Accountに一度お金を移して、再度それを普通預金口座に戻すというのを2000ドル分行うだけです。
1ヶ月のうちにトータル2000ドル以上の入金がどこかからあればいいので、1度にまとめて2000ドルを入金しなくても、1000ドルずつ移してまだ戻すというのを2回繰り返しても大丈夫です。
ネットバンキングだとすぐに反映されるので1分もかかりません。
私もこの方法で口座維持手数料を無料にしています。
オーストラリアで銀行口座を開設する方法
オーストラリアで銀行口座を開設するときには、
- パスポート
- デポジット(預入金)
- 学生証(学生であれば口座維持手数料免除のため)
が必要になります。
また、住所と携帯の電話番号も聞かれるので、紙に書いておくとスムーズに手続きできます。
ただ、マイナンバーが必要との情報もあるので、必要な情報、書類については口座を開設される銀行に問い合わせてくださいね。
なお、入国してから6週間を過ぎて銀行口座を開設する場合、パスポート以外の身分証明書(免許証、健康保険証、住民票、公共機関の請求書、学生証などから2点)が必要になるので注意が必要です。
私はワーキングホリデービザでオーストラリアに入国してすぐにWestpac銀行の支店で口座開設してもらったので、パスポートとデポジットの1ドルだけで開設できました。
銀行の窓口に着いたら、I would like to open an account. (銀行口座を開きたいです。)と言えば、銀行員の人が手続きを進めてくれます。
そして、この手続きが終われば、1週間程度で指定した住所にカードが届くので、オンラインで「アクティベート」と呼ばれるカードの有効化の手続きをすればすぐに使用できます。
このカードはデビットカードになっているので、これがあればどこでもカードでショッピングができて便利です。
オーストラリアの金利は日本より高い
オーストラリアの金利は日本より高いので、日本の低金利に慣れているとびっくりします。
たとえば、2019年2月時点では、Westpacの場合、Introductory OfferとしてSavings Accountで最初の5ヶ月間は年利2.5%の利息がついていました。
そして、この5ヶ月間がすぎても、次の5ヶ月間は年利2.0%がつきます。
定期預金の場合、4ヶ月間の定期預金で年利2.2%、ひと月ごとに金利が見直されるプランでは年利2.3%、5年間の定期預金で年利1.9%と、日本と比べるととてもお得な金利を受け取れるプランもあります。
日本だと年利0.01%くらいしかつかないので、オーストラリアの金利はかなり高いことがわかります。
ただ、最近は以前よりかなり金利が低くなってしまったので、以前からオーストラリアに住んでいる方はオーストラリアの金利が下がってしまったと嘆いているそうです。
利息にも所得税がかかるので注意
利息を受け取れるのはラッキーですが、利息にも所得税がかかります。
所得税率はビザや居住状態によって異なります。
オーストラリアの非居住者の場合、利息を銀行が源泉徴収してくれて、その割合は10%にとどまります。
他方、ワーホリビザでタックスファイルナンバーを取っている場合、所得税は最初の37,000ドルまでについては15%です。
ただし、タックスファイルナンバーを取っていないと最高税率が適用されてしまうので、注意してください。
オーストラリアでは、外国人が利益を得るだけ得て自国に帰ってしまうのを防止したいようで、ワーホリビザで働く人の税率を上げたり、銀行口座の利息についても源泉徴収するなど、外国人だけが得をできない仕組みになっているようです。
まとめ
オーストラリアで銀行口座を開設する場合、コスト重視ならNAB、管理のしやすさ重視ならANZがおすすめです。
自分に合った銀行を選んでくださいね。